日曜日男の旅 第三部

美味しいと評判の
開田高原アイスクリーム工房」
にたどり着いた俺達。

夏は行列ができるとか。
冬のその日、
お客はスポーツカーでお越しのカップルと
俺達のみ。

とうもろこしのソフトクリーム

響きだけでマッドドッグタネンのような
よだれ(バックトゥザフューチャー3参照)
が出そうである。

早速購入し食べてみるとコレがまた
素晴らしくおいしい。
食べ終わるまでさりげないとうもろこしの甘味なのだ。
従来のソフトクリームのようなくどさが無い。
満足の一言。

「良い旅だね」と何度言った事か、
さてこの段階で時計は12時。
ワタクシには気になる蕎麦屋が帰り道の木曽福島に一軒あった。
「くるまや本店」地元にも同じ系列のお店があるが
地元のくるまやは蕎麦が手打ちでなく、他の蕎麦屋と比べて
今ひとつなのだ。
本店の味を食べてからでなくては
何も語れない。

「トイダ君、私のわがまま聞いてくれるかい?
実はもう一杯ざる蕎麦を食べたいのだがどうだい?」

「全然良いですよ行きましょう」
と快諾。

車は木曽福島へとたどり着いた。
先祖が眠るこの町に子供の頃には何度か来た事がある。
このくるまや本店にも。

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ただ当時子供のワタクシには蕎麦はまるで美味しさがわからず、
黒い麺でしかなかった。

改めて訪れたいと思ったのは6年も前からだろうか。
ようやく実現。
暖簾をくぐった。

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明治からの建物内部は古い柱とぴかぴかに黒光りした板の間、
老舗の佇まいがひしひしと伝わってくる。

ざる蕎麦を注文

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本店は手打ち手切りでした。

不思議だったのは食感、柔らかいのである。
いままで色んなお店のお蕎麦を食べてきたが
ここまで柔らかい蕎麦ははじめて。
ただししっかりそばの味がする。
実においしいそばでした。

そば、蕎麦、蕎麦
いつのまにか蕎麦3食男の旅。
そばに始まり蕎麦に終わる。

彼女や妻を連れてこれは出来ないね、
絶対キレちゃいますよね。
そんな会話をしながら俺達はお店界隈を散歩し
木曽福島を後にした。


帰り道の大桑村に「おんたけ食堂」という蕎麦屋がある。
評判でここも美味しいお店だ。
その日も駐車場はいっぱい。
もう一杯とはもちろん口にすら出なかったが。
エピソードを一つ。

今はもう亡くなった先代がまだ健在だった頃の
たしか25年も前の話しだ。
我が家がスキー帰りにこのお店へ寄る事は結構多かった。

しかしこのお店には頼んだら絶対食べ残してはいけないという決まりがあった。
何故か、
大将にど叱られるからなのだ。
大人子供関係なくである。

我が家の犠牲者は兄貴、
食べきれず仕方なく残して帰ろうとした我が家の家族、
それも親ではなく兄貴に
「おじさんの一生懸命作った蕎麦を何で残すー!
ちゃんと食べてから帰れー!」
泣く泣く兄貴は食べたとか食べなかったとか。

実家では蕎麦を食べると大抵この話しがでる程
メジャーな話題。
今では少なくなった頑固親父の話しだ。
しかしこの叱り方にはやはり愛がある。

前回の記事に書いたタモリと口調は違えどそれと同じだ。
先刻承知の通りなので長々と書き加えるのは止めておこう。
先代は当たり前の事を叱るというか、
教えてくれていたのである。

部活から男の旅、蕎麦、頑固親父の心意気。
いやー実に楽しい男の旅でありました。
また行こう。