ある男

入院した男。

男が注文し配達された食材が玄関先に置かれていると

近所の友人父から連絡が入った。

仕事終わりに立ち寄り、箱を広げてみると

好きなカツ丼セット、野菜はなく、肉や、酒のつまみにするであろうそんな食材が目立つ。

妻に先立たれ、1人過ごす日々、悲しみの底は抜け、希望を見つけながらも、癒すのは日々の酒だろうか。

そんな事を勝手に思い描いて涙ぐんで、

実家を後にした。

寒くても春はもうすぐ。