銭湯の話

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行って来ました。

本物の銭湯

入り口には福助がいました。

男湯、女湯を再度確認し、

ガラガラとドアを開け中に入った。

お客は
僕一人。

いらっしゃい
の声が聞こえてこない。

番台を見るとスースーと寝息を立て、
そう、例えるならナメック星の長老のような
店主であろうおじいさんが寝ている。

400円を置き、すみませんと声を掛けた。
開いたか、開いてないかすらわからないような目で僕を見て
おつりを出そうとする。

いやいや!

ああ……。ああ…。どうぞ

眠りを妨げられ、ご不満のご様子。

気にせず、服を脱ぎお風呂へ、
気になっていた壁の絵は
春の立山連峰とでも言おうか、

そんな絵であった。

からだを洗い、湯船に入るが
昔から長く浸かれない質で、
入浴の全行程を10分で終了。

着替えを済ませ番台へ、

長老へ写真を撮ってもよいかと聞いてみると
さっきとは打って変わって、
満面の笑み、

少しかすれ気味の声で
いいですよと、

パチリ、パチリと
撮影を終え、長老にありがとうと
言うと、外の福助も撮って行ってあげてね
とゆっくり笑いながら、そう言ってくれた。

スーパー銭湯と比べるのも失礼だが、
確かに湯船は小さい、しかしあの風情は
お金をかけて出るもんじゃない。

色んなことが様変わりする今の時代に
昭和の香りを残してくれた長老に感謝したい。

次に富山へ来るのはいつになるだろうか、
その時まであるだろうか?

無いかもしれないな…。

間違いなく長老とはもう会うことはないだろう。

いずれ消え行く昭和の遺産に別れを思い、

濡れた髪の水分をバサバサと振り落としながら
今回のTHE 銭湯

観音湯を後にした。