アンダーグラウンドを求めて。
理由は安いから。
お好み焼きが食いきれない程出てきて
500円以下。
15年ぶりか…。
行ってみる事に。
何も変わらない外観。
暖簾をくぐった。
おばあさんがお茶を入れている。
小さいテーブルに小さい椅子。
傾いたカウンター。
なにも変わっていない。
とりあえずカウンターへ。
すると奥から女将さんらしき人がやってきた。
『あんたさっき電話よこした人?バイクで来るとか言っとったら?』
『違いますが』
『そう、何食べるの?』
『お好み焼き大盛りで』
『はいはい』
中々馴れ馴れしい女将じゃないか。
私の記憶からは消えていた。
思い出すのは決して美味しく無い、
ほとんどが生地とキャベツのお好み焼きだ
メニューを見ると380円
焼きそばもラーメンも380円
いつの時代だ。
おにぎり定食って何だ?
単品ならまだしも、定食。
いいねえ五万石。
新たな発見の連続に興奮していると
『はいとりあえず一皿』
と色気も無く銀のプレートに積まれたお好み焼きらしい食べ物。
まるで変わっていない。
大盛りはコレがもう一皿。
私の知る限り3軒はあるが、きっとおばあさんの行動範囲は歩いて行ける距離に限られており
郊外で何が起きているかも知らないのだろう。
突っ込まれるのも面倒なので
『そうですね』と答えた。
『いただきます。』
小麦粉の味とキャベツの食感、たまに来る紅ショウガ、海苔
よく見るとハムらしきものも確認できたが。
1パーセントにも満たない。
15年前とまるで変わらず、1グラムもブレていないのだ。
決して味を求めてきている訳でない
そうコイツに会いにきたのだ。
我が青春の味。
お会計をしてもらうと
『大盛りは100増しだからね』と
明らかに2人前ですがよろしいのでしょうかと
高校のときもそう思ったが、
でも小麦粉とキャベツだけなら
まあ、あって無いような物ねと
納得できた。
新町の五万石。
この味、この佇まい、この景観。
今、日本から消えかかっている昭和の風情とでも言おうか。
とくに美味しく無くても妙に落ち着きました。
中津川アンダーグラウンドに登録です。