東京都国立市南口
ブランコ通りの
横に邪宗門という喫茶店があった。
古くてお洒落でかわいい店だった。
背中が曲がったおじいさんと
おばあさんがやっていて
おじいさんはボサボサでオレンジのロン毛に
赤いキャップという
戦後を経験してきたとは思えないセンスの良さ。
店内の音楽がこれまた素敵で
どこの国の言葉で歌っているのか
わからない曲ばかり、どんなジャンルの曲なんだろうと
ある日おじいさんに聞いてみた。
「シャンソンだよ」
おじいさんは笑ってそう答えてくれた。
もう10年くらい前の話だ。
あの夫婦はご健在なのだろうか？
ふと気になった。
